良い湯だなパート2
2003年3月8日

 サンディエゴの南辺りを付け根にして南に延びるバハ・カリフォルニア半島。「忘れ去られた半島」とも呼ばれるバハには、 アリゾナやネバダの砂漠と同じような荒涼とした大地が延々と広がり、電器も水道も無く道路は殆ど未舗装だ。サンディエゴから 南へ軽飛行機で3時間ほど飛んだ所にPuertecitosの集落はある。荒涼とした大地と何処までも真っ青な海、そしてなんとここには 天然温泉露天風呂が有るのだ!途中VORもフライトフォロイングもUNICOMも何も無く、GPSだけが頼りのとても心細いフライト だったが、この温泉に入りたい一心でここまで来てしまった。

エアストリップから歩いて約5分。カリフォルニア湾に面した海岸の岩場に温泉が湧いており、まるで潮溜まりの様な天然の 岩風呂が出来ている。海岸には硫黄の臭いが流れており、これが本物の温泉である事は直ぐに分かる。幾つかある湯船は下に 行くにつれて温度が低くなっており、一番下の湯船は海水が混ざりぬるま湯状態。源泉の湯船から流れ落ちる湯が溜まって出来た 上から2番目の湯船は推定湯温40℃前後で入ると直ぐにジーンと効いて来る。直ぐにのぼせ海を見ながら体を風に晒していても 温泉の効き目で体がホカホカしている。

ここのエアストリップは石ころがごろごろしているダートである。風が無くても離着陸は緊張する。カーンバリーにしても ここにしても、温泉のある飛行場は難所が多いようだ。フライトも周囲の景色も人々が話す言葉も全てが違い、普段の生活から 全くかけ離れた異質な世界だった。


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