昔、中国といえば人民服を着た大勢の人たちが自転車に乗って幅の広い道路いっぱいに走っている景色が頭に浮かんだ。
最近の中国は発達目覚しく、そんな景色はもう北京では見られない。車の信号と歩行者用の信号の他に自転車用の信号機が
わずかにその名残を示しているのみである。巨大な街にはビルが立ち並び、建設ラッシュに沸いているようだった。そういえば
30年くらい前の東京もそこらじゅう工事だらけで同じような感じだった。それでも、ふと路地裏に入ると昔ながらの横丁が
残っている。昔見た映画のワンシーンに出てきたような、垢抜けない人々の顔や古い飲食店の立ち並ぶ景色は私の心をほっと
させてくれた。
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