光の絨毯に降りて行くようなSJCのナイトランディング。
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ランカスター・フォックス空港(WJF)出発
ランカスター・フォックスを飛立ち目の前の山を越えるとベイカーズフィールドの町の明かりが見える
はずでした。しかし、FSSのブリーファーの言った通り眼下には3,500ft位の高さで辺り一面モヤがたち込めていて
何も見えず、モヤがその下の町の明かりを吸収してボーッとした光を放っていました。上空15,000ftより高い
辺りにも厚い雲の層があり、これもまた月の明かりを吸収して暗闇よりは少し白いグレーになっていました。
ベイカーズフィールド周辺は見渡す限りこんな天気で、我々は下界の光るモヤと上空の暗いグレーの雲の間
の暗闇の空間を潜り抜ける様に飛んで行きました。
平野を過ぎてディアブロ山地にさしかかると次第に雲は消えて視界も良くなりました。
海沿いの上空は低いマリンレイヤーに覆われていましたが、LAより北の方では海岸沿いに山地があり、
それがマリンレイヤーをブロックして内陸は全く雲の無い快適な天候になっていました。
光の絨毯の中にぽっかり空いた漆黒のフィールドに浮かぶ滑走路。
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サンノゼ国際空港(SJC)到着
程なくギルロイ上空に到達し、あれがアウトレットモールだなどと下界を見ながら話していると、
サンノゼの町がもうすぐ目の前に迫って来ました。車で行くと結構時間のかかるサンノゼからギルロイまで
の道のりも上空から眺めると目と鼻の先です。
初めは小さく見えていたサンノゼの町の夜景も、フライトフォロイングがオークランドセンターから
サンノゼアプローチに渡される辺りでは視界いっぱいに広がり、下界は辺り一面マメ電球を敷き詰めたような
光の絨毯となっていました。気流はいつになくとても安定していて機は滑らかな面を滑る様に下降して行き、
そのスムースさと光り輝く下界の景色により、まるでシミュレーターのCG画像の中に居るかのような感覚
になりました。ラスベガスの夜景も素晴らしかったですが、サンノゼは町の灯りの密度が高く周囲の地形や
道路の形の複雑さがとても幻想的な雰囲気を醸し出していました。
夜景を楽しんでいるとアプローチから空港が見えるかと聞かれたましたが、すぐに見つける事が出来ませんでした。
私はサンノゼの地図は裏道まで頭の中に入っているので直ぐに見つける自信が有ったのですが、空港が有るべき
辺りを探してもなかなか見つかりませんでした。暫くして正面方向に町の灯りの中にポッカリと空いた暗闇に
気付き、その中を目を凝らして見ると滑走路のランプが光っていました。SJCの滑走路のランプの輝度は
一番明るいクラスのはずなのですが、周囲の街灯が明るすぎて見つけるのにとても苦労しました。
やっと見つけた滑走路のランプにアラインして飛んでいると、ローインテンシティーのRwy29のランプも
見えるようになり、自分が旅客機用の30Lの進入コースに乗っていることに気がつき、慌てて左へ避ける場面もありました。
眼前に広がるサンノゼの素晴らしい夜景、そして昔出張でよく使っていたSJCに自分の操縦で着陸するという
感動を私は抑えることが出来ずコックピットの中で何度も大声でウォーッ!!!と叫び声を上げてしまいました。
程なく着陸体制に入りアプローチからタワーに渡され最終段階に入りそして無事着陸。この着陸はこれまでの
経験の中で最も感動的な着陸でした。
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