13日の日曜日
2002年1月13日

 今日、とても天気が良かったので、我慢できず飛んできました。息子を友達の誕生日パーティーの会場にドロップし、 2時間半から3時間後にピックアップだったので、その間T&GでもしようとMYFへ向かいました。最近お気に入りの Warrior君は居なかったので、久しぶりにC172を180hpに改造した722RJに乗る事にしました。

以前からこの機体は飛行中キャビンの中でガソリンの匂いがしたり無線の調子が悪くなったりして、馬力があって内装も外装も 奇麗なのですがイマイチ遠出には使いたくない機体の一つでした。こいつにはあまり乗りたくなかったのでしたが、 これに乗らざるを得ない時の為に練習しておこうと思いSDMまで行ってT&Gをする事にしました。

エンジンを掛けて無線を点けると相変らず調子が悪く、COM1はノイズで使い物になりませんでした。COM2もPTT スイッチが交換されていたにもかかわらず、時々送信中に途切れてしまいました。なんとなく幸先の悪いスタートでしたが、 天気の良さにそんな事は気にせず離陸しました。

SDMに着くと他に訓練している機は2〜3機で、殆ど#1か#2でのT&Gとなりました。しかし、慣れない機体でバウンド ばかりしてしまい、途中26Rから26Lに滑走路を替えさせられたり、ゴーアラウンドさせられたり、また26Rに 戻されたり...すっかりペースを崩されそのせいかバルーンニングばかりしてしまいました。SDMは訓練中いつも使っていた 空港で、最初のインストラクターLouiに初めて着陸を習った所でもあり当時も今日のようにヘタクソな着陸ばかりしてい たのが懐かしくなりました。

5回目の着陸のアプローチの時、ふとLouiの言葉を思い出しました。彼はスレッシュホールドラインを越えてパワーを アイドルにしてFlareすると決まって「Hold it! Hold it!」と何回も言うのでした。それに反応して反射的にエレベーター を引いてしまい浮き上がって落っこちたりバルーンニングしたり。「意味分ってるのか?」と聞かれてうなずいてはいましたが、 今考えるとその時は良く分っていませんでした。初心に帰りタッチダウン寸前に操縦カンを動かしたくなる気持ちを押さえ、 じっと我慢してそのままこらえ暫くするととても柔らかに機体は接地しました。やっと感覚を掴み私は一休みする事にして 次のダウンウィンドで着陸をリクエストし、次の着陸も奇麗なソフトランディングとなり満足してトランジェントパーキング へ向かいました。

パーキングで持参したスタバのコーヒーを飲み干し、一路MYFへと向かいつつ時計を見ると既に2時間半をまわっており、 息子をピックアップする時間でした。しかしこんな時に限って色々と不都合な事が起きるもので、そこで無理をすると事故に 繋がるという過去の苦い経験から学んだ事を思い出し、敢えてゆっくり落ち着いて物事に当たろうとするのですが、 まるでそれを見越したかのように色々な事が起こるのでした。

先ずはレポートポイントでMYFのタワーにコンタクトし、スクォークのアサインをもらいました。ここまでは良かったのですが、 次のレポートポイントでレポートしたのに返事が無く、待っているとチェロキーが割り込んできて、しかも私の直ぐ後ろに 居るようでした。そしてやっとタワーが出て来ると私を無視して後ろのチェローキーと交信しだしました。声が変わったので どうやら選手交代していたようで、私とチェロキーが近くて区別がついていなかったようです。これは忘れられてるなと思って いると既に滑走路まで2〜3マイルの所まで来てしまい、たまらず「Am I cleared to land?」と聞くと、 「What's your call sign?」と言われ、半分怒りながら大きな声ではっきりと「722RJ!]と告げると、コントローラーは ゴメンゴメンとばかりに着陸を許可してくれました。

今度は滑走路をでてタクシーウェイで待っていると後から着いたチェロキーと先に交信しているので、「Can I contact Ground?」 と聞くと、またまた謝りながらグランドにコンタクトを許可してくれました。そしてガソリンスタンドに行くと今度は係りの 兄ちゃんが居ません。無線でUNICOMに早く誰かよこしてくれ!と頼むと暫くしてやっと係りがやってきました。 時計を見ると既に2時間50分。早く息子を迎えに行かなくてはっ!給油が終わるとはやる気持ちを押さえつつGIBBS (FBO)に向かったつもりでしたが、タクシーウェイを結構なスピードで走ってしまい、タワーから怒られるのでは? とハラハラしました。

そしてパーキングに戻って来るとなんと!自分のスポットが無い!?普段乗らない機体なので列を一本間違えたかと思い、 「隣の列まで手で押して戻るのか?そんなー、恥ずかしー...」と思ったのですが、冷静になって周りを良く見渡すと 目印の同じクラブの機体の位置からしてその場所で間違いないはずでした。しかし私が停めるべき場所に他の機体が 停まっているのです。私は通路に機体を停めてスポットへ行くと、地面にはちゃんと2RJと書いてありました。 しかしそこには白いチェロキーが停まっていて、横でオーナーらしき野郎がのうのうとマフィンをほおばっているのです。

私は彼に近寄り、「これはお前のか?」と聞くと「そうだ、ここはお前のスポットか?」と言うので「そうだ、早く動かしてくれ!」 というと、「FBOに聞いて来る」というので「俺は時間が無いからとにかくその辺の空いている所へ動かしてくれ!」 と言って取り敢えずスポットから出させると私は2RJをそこに入れました。「どうして急いでいるに限ってこんな野郎が いるのだろうか?未だかつてこんな奴に出会った事は無い!全くもう!!!」と内心怒りつつ機体をセキュアーしていると、 そいつはまた他の奴から「これはお前のか?邪魔だからどけてくれ」と言われていました。考えてみればそいつも可哀相な 奴なんですが如何せんタイミングが悪すぎる。

今日は管制塔には2度も忘れられるし、パーキングには変な奴が居るし、そして10分遅れて慌てて息子を迎えに行くと アトラクションが長引いていてまだ終わっておらず、結局20分くらい待たされ、「なーんだ、焦る事なかったなー...」 とちょっとほっとしたような虚しいような複雑な気分になりました。いまさらですが、やはり飛ぶ時は時間に余裕を持たない といけませんね。

(写真は722RJのコックピット)


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