ホテルに着いたのが午後3時頃。砂丘をラクダでトレッキングするツアーの出発は4時だった。ギリギリ間に合った。必要最小限
の物だけ持ってラクダに乗って砂丘の裏の遊牧民ベルベル人が暮らすテントへ行って一泊。夕食は遊牧民の鍋料理タジン。野菜と
肉と穀物を独特の形をした土鍋でじっくり煮込んだ料理なのだが塩味でさっぱりとしていてなかなか美味しかった。夕食後皆で焚き火
を囲んで話をしていた時、ベルベル人のガイドが「ハトぽっぽ」を歌いだした。私は彼にもっといい歌を教えて上げると言って
「月の砂漠」を歌った。砂漠という言葉を彼は知っていて喜んだが、メロディーも歌詞も覚えるにはちょっと難しかったようで、
彼は直ぐに諦めてしまった。ツアーの間、なにか想像していた砂漠と違うと感じていた。それは静寂が無い事だった。常にラクダの息や
人の話し声などが聞こえ、アメリカの砂漠で感じた自分の息しか聞こえない静寂が無かった。翌日ツアーが終わってからGPSを持って
一人で砂丘へ出かけた。そこには期待した静寂があった。赤い砂の砂漠を一人でさまよう事約3時間。サハラ砂漠を満喫した。
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