1級船舶免許
平成23年6月23日

 船舶免許の試験を受けました。場所は三浦市のシーボニア。逗子マリーナなどと並ぶ高級マリーナです。三浦半島の南端近くの 相模湾側にある小網代湾というこじんまりとした入り江にあります。10階建てほどのリゾートマンション4棟の海側にヨットや クルーザーが並び、ハーバーには映画に出てきそうな優雅なクルーザーや外洋レースにも出れそうなヨットが停泊しています。 そんな雰囲気の中で小型船舶の国家試験が実施されました。シーボニアでも学科試験や実技試験の練習をする講習が開かれて いるようで、講習で使っている船を試験でも使っていたようでした。ここでは年に何度か試験が行われているようで、私が 申し込みを思い立った日が丁度受付け締切日の1日前でしたので、家から一番近いシーボニアを選び受験申請をしました。 会場のシーボニアで写真のような船を見ていると嫌がおうにも気分が高まります。

 私は今までボートの操縦は殆どしたことがありませんでした。アメリカに住んでいた頃、レイクパウエルで少しハンドルと スロットルを握らせてもらった程度です。しかし、色々と調べた末に決心して受験してみました。本来であれば先に2級を取って、 その後1級にステップアップするようですが、実技の内容はどちらもほぼ同じで大きな違いは学科に海図を使ったナビゲーションが 有るか無いかでした。ナビゲーションは海図に航路を書き込んでディバイダで距離を測って航行時間を算出したり、条件から 船の位置を割り出したりと、私にとってはとても面白い内容なので是非勉強してみようと思い、最初から1級を受験する事にしました。 例えば正面から対抗する船が来たときにはお互いに右側に避けるとか、緑と赤のナビゲーションライトとか、飛行機と同じルール があったりして面白いです。船の方が歴史が古いので飛行機が船のルールをマネしたのだと思いますが。

 学科試験が終わると正解が外の壁に張り出されていました。自己採点では間違いは2問だけでしたので合格しているはずです。 しかし実技が問題でした。実際に船を操縦せずDVDと本だけでイメージトレーニングをしただけで、見た事も触った事も無い 乗り物を言われた通りに操縦しなければいけなかったのです。イメージトレーニングでは上手く行っても、試験というだけで 緊張してしまいポカミスを連発してしまいました。しかし、沖に出て変針やスラロームをしている時は気持ちよかったです。 その他の項目もパスしているかは別として何とか乗り越えました。しかし、最後に船を桟橋に着岸させる所で大失敗。 色んな方の体験談をウェブサイトで読みましたが、どなたもみな口を揃えて着岸が一番難しいと言っていましがその通りでした。 一度失敗して勝手にバックしてやり直して二度目にフックで桟橋を捕まえて力ずくで無理やり船を桟橋に引き寄せ、なんとか 係留することが出来ました。しかしかなり減点されているのは間違い無いと思います。でも小型船舶の試験はこれまで受験して来た 他の乗り物の実技試験と少し雰囲気が違いました。例えば自動車の試験では縁石に少しでもタイヤが乗り上げたら即試験中止ですが、 船舶では間違いをしても最後まで試験をさせてくれます。二人一組で受験するので途中で「あなたは終わり」という事にはなりません。 それ以前に船舶の世界の文化が他の乗り物と少し違うように感じました。

 試験前日は雨、当日も朝は雨が降っていて天気予報を見ると波の高さは2.5mでした。午前中に学科試験を済ませ、午後になると 良く晴れたいい天気になりました。しかし風がとても強くて波も結構高く、試験官も本当なら中止にしたいくらいだと言っていました。 しかし運よく地形の関係でスラローム用のブイの先辺りまではなんとかボートで走れる状態でした。しかし、時々船底が海面に 叩きつけられたりして結構怖かったです。防波堤の内側と外側は別世界でした。小網代湾の奥は波がありませんでした。 それでも風が強く船や人命救助の要救助者に見立てたブイが流されていきまいた。

 実技試験で順番を待っている間、マリーナの事務所にある待合室にいました。待合室の雰囲気はどこかアメリカの空港のFBOに 似ていました。桟橋はエプロン、その先に広がる湾は飛行場、FBOやレストラン、プライベートジェットの代わりに大型クルーザー、 乗り物は違いますが遊び方は似ているような気がしました。軽飛行機にも色々な種類はありますが、ボートやヨットもいろんな 種類がありますね。小さいもの大きいもの、釣り用のもの、クルージング用のもの、庶民的なもの、高級なもの。中古の船舶を 販売しているウェブサイトを見ていて、アメリカの中古飛行機を販売している「Controller」を思い出しました。私が住んでいる 横須賀は幸いにも近所にマリーナやマリンクラブが幾つかあります。もし試験に合格して免許が取れたらどこかのクラブに入会して 一度クルーザーを借りて大島にでも行って見ようかな。



試験に使用したボート



桟橋に係留されている高級クルーザー。こんな船で遊んでみたい!


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