イエローストーン国立公園
Yellowstone National Park Lower Loop
Park Entrance
West Entranceに立つ国立公園の看板
ウェスト・エントランス

 ウェスト・イエローストーンの町の外れに行くとWest Entranceのゲートがあり、その向こうはもう国立公園。ゲートで年間パスを買い中に入る。 年間パスは1年間全米何処の国立公園でも使うことが出来、5箇所くらい回れば元が取れる計算だ。後でグランドティトンへも行くし、 向こう1年間で他に3箇所以上は行くだろうと思い、今回初めて年間パスを買った。

 ゲートを過ぎると、杉の木が鬱蒼と生い茂る森の中を、公園の中心へ向かって暫く真っ直ぐな道が続く。左手に川が見えてきて、山に大ぶ近づいた ところで道が渋滞し始めた。一本道で公園まではまだ何十マイルも有ると言うのに、こんな所で渋滞していたら一体どうなってしまうんだろうと不安になった。 広大な国立公園も連休はやはり混雑するのだろうかと考えながら渋滞に並んでいると、少し行った所で徐行の規制をしており、それが渋滞の原因だった。 徐行規制をしている場所の道端には車が沢山止まっており、人々が車から降りて何かを眺めていた。私も車を降りて皆の見る方向を見てみると、 なんと道端の木の上に大きな鳥の巣があり、その上で鷲が大きな翼をはためかせていた。その鳥を刺激しないよう直ぐ横を走る道路が徐行規制されていたのだった。

 暫く走ると今度は道路脇の川沿いの駐車場に車が数台駐車していて、なにやら人だかりが出来ていた。車を止めて川を見ると一頭の鹿が川を渡っていた。 そこではよく鹿が川を渡る姿が見受けれるらしく、川原に立っていた説明版に描かれていた絵と全く同じ光景を見ることが出来た。
West Entrance
West Entranceから公園へ続く道
Eagle
樹上の巣を守る白頭鷲
river
公園から流れ出る川
  

board
道端に立つ解説版
deer
川を渡る鹿
buffalo
草原で草を食むバッファロー
 イエローストーンの中心部は火山の中心が陥没して出来る巨大なカルデラの中にある。その外輪山を割って流れ出る川に沿ってカルデラの 中に入ると少し平坦な草原が現れる。草原に何か動物の影が見えたので良く見てみるとバッファローだった。普段野生の動物を見ることの無い 私達は、公園に入って1時間足らずの間に、鷲、鹿、バッファローに出会い、それだけでもう感動してしまった。
road
Lower Loopを走る道路
ロウアー・ループ

 5つの入り口から公園の中へ続く道は、大きな二つの輪(ループ)となり8の字を描いている。その上半分の輪をアッパーループ、 下の輪をロウアーループと呼ぶ。名物の大きな間欠泉はロウアーループ沿いに集まっており、天気の良いうちに回っておこうと言う事で、 我々は先にロウアーループを回る事にした。

 West Entranceからの道がMadison Junctionでロウアー・ループに当たり、そこから南に下ると所々草原が白っぽくなっていたり、 森の向こうに蒸気の煙が立ち昇っていたり、温泉が湧き出ている場所が現れ始める。
gaysers
あちこちから湧き出る温泉
ロウアー・ガイザー・ベイスン

 マジソン・ジャンクションの南のロウアー・ガイザー・ベイスンというエリアに幾つかの有名なスポットが有る。 

 ファウンテン・ペイントポット: 公園の中には様々な種類の温泉が湧き出ている。最初に立ち寄った所は白濁した粘土質の泥の温泉が湧き出しており、粘りの有る大きな泡が 沢山湧く温泉はマッドポットと呼ばれ、まるで地獄絵にでも出てきそうな独特の雰囲気を醸しだしていた。
Gayser
青く澄んだ温泉
Mud pot
粘土質の泥の温泉が噴出すマッドポット
Mud pot
マッドポットのアップ


grand prismatic
Grand Prismatic Spring
ミッドウェイ・ガイザー・ベイスン

 グランド・プリズマティック・スプリング: イエローストーンのパンフレットなどで必ず目にする鮮やかな七色の輪に囲まれた温泉の写真があり、 何処に有るのか探していたのだが、それがこのグランド・プリズマティック・スプリングだった。このオレンジ色は温泉に棲むバクテリアによって作り 出されている。バクテリアの種類によって好む温度が違うために何種類もの色が生まれる。温泉の中心部は非常に温度が高くバクテリアが生息 出来ないので、クリアーな水が空の色を反射して綺麗なブルーになる。
Granf Prismatic Spring
温泉から溢れたお湯が川に流れ込む
Eagle
温泉に続く木の板で作った通路
river
真っ赤に染まった温泉の流れ


gaysers
ここに昔巨大な結晶の壁が有ったらしい。
Deers by gayser
温泉の畔で寛ぐ鹿たち。
ビスケット・ベイスン

 サファイアプール: 大本命の間欠泉が沢山あるアッパー・ガイザー・ベイスンの直ぐ手前、道路を挟んで反対側のビスケット・ベイスン にあるサファイアプール。ここには昔とても綺麗な結晶の山が有ったらしいのだが、97年頃に崩れて無くなってしまったらしい。写真ではとても自然の造形物とは思えないような すばらしさだけに、今となっては見れないのがとても残念。



アッパーガイザー・ベイスン

 オールドフェイスフル: 昔から一定の間隔で空高く間欠泉が噴出し、観に来た人の期待を裏切らないという理由からフェイスフル(忠実)という名前が付けられた。 「イエローストーンといえばここ」ともいえる代表的な場所である。直ぐ近くに大きな駐車場があり観光客が大挙してやって来る。ビジターセンターや数少ない公園内の宿泊施設もある。

old faithful
Old Faithfulを見物する人々
Eagle
ビジターセンター辺りから見た間欠泉
river
世界最大の木造建築、オールドフェイスフル・イン
  

Granf Prismatic Spring
テラスから間欠泉を眺める事が出来る
Eagle
どこと無く日本的な雰囲気が漂うドーマー
river
オールドフェイスフル・インのホールの巨大な吹き抜け



その他のガイザーへのトレール: オールドフェイスフルからMorning Glory GayserまでFire Hole Riverに沿って木の板張りのトレールが続く。 トレールの周囲には無数の温泉が湧いており、今も水蒸気をもうもうと噴出しているものもあれば、すっかり干からびてしまったもの、 大きなもの小さなもの、色のついたものなど様々な温泉を見ることが出来る。

 温泉の湧いている所は硫黄などのせいで木が生えず地面が白くなっている。その白くなった川沿いの原っぱの上を遠くまで 続くトレールを歩く。所々にトレールから下の地面に降りてはいけないと書かれた看板が立っている。なぜなら、温泉は活動が 収まってくると成分の結晶などで薄い蓋をされたような状態になり、それが乾くと地面と見分けがつかなくなる。そして蓋の下 には静かに熱湯の温泉が湧いている場合が多く、気付かずにその上を歩くと突然足元に大きな穴が開き熱湯の温泉に落ちて おぼれてしまうという、とても危険な天然の落とし穴があるからなのだ。
White Rock
大きく成長した温泉の結晶。穴からシューと音を立てて蒸気が噴出す。
old faithful
この板張りのトレールの上を歩いて公園内を回る
river
口は小さくても中は広く空いている。
Brown Pond
これが乾くと左のような穴になる。


Castle Gayser
中学の英語の教科書に載っていたキャッスルガイザー


gaysers
gaysers
キャッスルガイザー: 西洋のお城のような形をした白い大きな塊の上から勢いよく温泉が噴出すキャッスルガイザー。

 噴出す温泉の高さはオールドフェイスフルよりも低いが、近くで見れるのでとても迫力が有る。


Morning Glory Pool
目が覚めるような美しい青色のMorning Glory Pool
 モーニング・グローリー・ガイザー: その名の通り朝顔の花を連想させる モーニング・グローリーガイザーは、ブルーともグリーンともいえないエメラルドの様なとても透き通った色と池を縁取る黄色が 何とも良い色合いだ。この素晴らしい色を見ていると、1マイル以上ある長いトレールをここまで歩いてきた疲れも癒される。


ウェストサム

Continental Devide
分水嶺の峠を越えてウェストサムへ向かう。
Blue Pond
湖畔に温泉が幾つも湧いているウェストサム。
Castle Gayser
温泉の穴が幾つも並ぶ


ヘイデンバレー

Hayden Valley
Hayden Valleyを蛇行しながら流れる川
Dragon Cave
泥で灰色に濁った温泉が湧くDragon Cave
Buffalo
Mud Volcanoに居たバッファロー




Dusk
ロウアーループを一周すると日が暮れてしまった。山火事で無残な姿になった林を抜けて宿を目指す。
Yellowstone National Park Lower Loop


Yellowstone National Park Upper Loop
Elk
道端の原っぱに普通に佇むエルク(大ツノ鹿)
アッパーループ

 二日目は8の字の上半分、アッパーループを観光。最初のスポットを目指して車を走らせていると、道端に沢山車が止まって渋滞していた。車の数が多かったのでどんな動物が いるのだろうと、私も車を止めて人が集まっている方へ向かった。すると人々が見ている原っぱの真ん中に大きなツノを頭に戴いたオオツノシカがのんびりと佇んでいた。

 人々は暗黙の了解でこれ以上動物に近寄ってはいけないという距離を保っており、シカは逃げる事無く集まった人々を眺めていた。そして暫くすると立ち上がり、ゆっくりと森の中へ 消えていった。

 再び車を走らせ暫くすると道沿いの草原でバッファローが草を食んでいた。自然の草原に天然のバッファローがまるで牧場の牛の様に普通に生きている。これが本当の 自然の姿なのだろうが、都会で暮らしている我々には特殊な世界に思えてしまう。道が森にさしかかると今度は森の中をシカが歩いていた。
Buffalo
草原で普通に草を食むバファロー
Elk forest
森の中を歩くシカ
Feeding Deer
おやつタイム?



ひろがります、マイルド○ブンの白い世界・・・。フォーカスが合わなかったのか、レンズのせいか、飛行機雲は写らなかった。


マンモス・ホットスプリングス

 アッパーループの一番北の端、ノースエントランスから入ると直ぐの所に、真っ白な石灰の結晶がが斜面を段々畑状に覆うマンモス・ホットスプリングス・テラスがある。 昔は上からお湯が流れ落ちていたようだが、今は殆ど枯れてしまっており、石灰の白さもくすんでしまっている。暫く眺めたり写真を撮っていると、ちょうど上空を飛行機雲を 引きながら飛行機が飛んでいた。「どこかで見たことある景色だな・・・」と思ったら、タバコのマイルドセブンのコマーシャルにここが出ていたのを思い出した。道理でどこかで 見たことがあるような景色だったわけだ。



Terrace
テラスの頂上から僅かに流れる温泉。
Liberty Cap
尖った特徴の有る形をした石灰の巨大な結晶。
Obsidian Cliff
柱上の花崗岩が並ぶObsidian Cliff





アーティストポイントから見たロウアーフォール


キャニオンビレッジ

 アッパーループとロウアーループが交わる辺りに位置するキャニオンビレッジには二つの大きな滝が有る。上流側にあるのがアッパーフォールで、 下流側に有るのがロウアーフォール。アーティストポイントと呼ばれる場所から眺めるロウアーフォールは芸術家ならずとも絵を描きたくなるほど美しい景色だ。



Upper Fall
対岸から見たアッパーフォール
Upper Fall
直ぐ脇から見たアッパーフォール
Buffalo
草原に群れをなすバッファロー。少し見飽きてきた。
Yellowstone National Park Upper Loop
 

[Top] [06/29] [06/30] [07/01-03] [YSNP] [GTNP] [07/04] [07/05] [Epilogue] [XC Menu]


[Home]