| IFRレーティング合格記念フライト SEL de LAX
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ちょっと寄っただけ
滑走路からタクシーウェイAに出るとFBOのギャレットは直ぐ目の前。LAS(ラスベガス国際空港)の様に広すぎて迷う事は無かった。ギャレットのタイダウンエリアにはプライベートジェットしか止まっておらず、
プロペラ機は私一人だけ。誰も出てこないのでFBOのまん前、ジェットの邪魔になるところににつけ飛行時間をログしてエンジンを止めようとした時、マーシャラーが出てきてFBOから遠く離れたハンガーの端っこの前に誘導され駐機。
彼が乗ってきたカートに乗せてもらってFBOへ、ドアを開けると目の前のカウンターに座っていたマネージャーらしき人が尋ねてきた。
「What can we do for you today?」
「I'm just stopping by for lunch....」
彼は特に驚く事も無くFBOの送迎用バンを手配してくれ、私達はそのバンでLAX管制塔の隣にあるレストランに向かった。明日は妻の誕生日だったのでお祝いに食事をしようという趣向だった。しかし彼女曰く
「これはあなたの合格祝いでしょ・・・」と、全てお見通し。出発前にNOTAMを見てここには軽飛行機用の100LLガソリンが無い事は分かっていたので、
私は給油を頼まず、また彼らから尋ねてくることも無かった。ちょっとした空港のFBOではガソリンを買わないと駐機料を取るところがあるし、LAXのような大きな空港はきっと着陸料を取るに違いない
と思っていたので、カウンターの人に金額を尋ねると帰りに清算すると言われた。きっとバンの料金なども纏めて請求するのだろうと納得しFBOを後にした。
バンを運転していたお兄さんはコマーシャルパイロットライセンスを持っていて、普段はロングビーチで飛んでいるとの事。どのくらいの頻度でプロペラ機がLAXに降りて来るかと聞くと、あまり見たことが無いと言っていた。
彼は私に「長い間ホールディングさせられなかったか?」と聞いてきた。やはり小さな飛行機が来る時はホールディングさせらる事が良くあるようだ。私は幸運にもたまたまトラフィックの少ないタイミングに当たったようだ。
この建物はLAXのシンボル的な存在なので知っている人が多いと思うが、みな通り過ぎてしまって中に入った事のある人はあまりいないのではないだろうか。
外見はまるで一昔前のSF映画に出てくる未来の町の建物の様だ。そして中身もやはり30年前に流行したサイケデリックといわれたスタイルというか、シュールレアリズムというか、
前衛的且つシックな雰囲気の漂う奇妙な空間だった。
どの席からも大型ジェット旅客機がひっきりなしに飛び交う滑走路や旅客機が沢山並ぶゲートが見渡せる。南側の窓からは私が駐機したギャレットも見える。出てきた料理もまた前衛的な味で、
私は頼んだグリルドチキンサラダを平らげる事は出来なかった。悪くは無いが日本人の口にはあまり合わないように思える。まぁ、場所的にこんな程度でも仕方がないかな。
せっかく高いお金を払って来たのだから存分に堪能しなきゃ損とばかりに、食後にコーヒーも頼んで長居をした。天気が悪かったので遠くの景色が良く見えなかったが、窓の向こうにはダウンタウンLAが
うっすらと見えていたので、天気の良い日の景色はかなり期待できるかもしれない。私達は暫く窓の外を眺め、この都会的な景色を楽しんだ。レストランを出るとFBOに電話して迎えのバンをよこしてもらい
再びギャレットへ。さぁ今度はLAXから出発だ。
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