December 26, 2002
Day 2

Las Crucesの町

Las Cruces and vicinity

 朝起きて外へ出てみると全てが凍りついていた。ホテルから出て車に乗ろうとしたらフロントガラスに分厚い霜が降りていたので、 ダッシュボードに入っていたプラスチックのヘラで落としてから出発。本日のメインイベント、ホワイトサンズ国定公園に行く前に、 空港へ寄って機体に忘れ物を取りに行った。すると機体も霜に覆われていて翼にはまるで雪のように霜が積もっていた。


砂ではなく雪で真っ白になったホワイトサンズ

White Sands National Monument

 Las Crucesの町から山脈を一つ越えるとホワイトサンズの平野が広がっていた。運悪く10年に一度降るかどうかの雪が降り、 辺りは白銀の世界になっていた。公園の入り口にある ビジターセンターに寄ってから公園のゲートを過ぎて暫く行くと、バリケードで道路が通行止めになっていて、パークレンジャーが駐車場に 入るように誘導していた。聞けばその先は雪のために閉鎖との事だった。せっかく砂で滑るのにダンボールまで持参したのに、 公園の中に入れず残念普段は純白の砂丘も雪で濡れてクリーム色になっていた。仕方なく 雪の斜面でしばらく遊んで帰ることにした。


様々なミサイルが林立する野外博物館

White Sands missile site

 ホワイトサンズはその名の通り白い砂の砂漠で有名だが、もう一つ名所がある。それは軍事マニアには有名なミサイルの試射場だ。 実は日本の自衛隊もここへ来てミサイルの打ち方を練習している。ミサイルの試射がある時は周辺の道路が通行止めになる。 ミサイルを発射する基地はホワイトサンズ公園の南の端にあり、ゲートの横には様々なミサイルが展示されている野外博物館がある。 日本の自衛隊も使っているホークやナイキ、湾岸戦争で一躍有名になったスカッドやそれを迎え撃ったパトリオットも誇らしく 展示されている。一角に大きな丸っこい爆弾が置かれていた。それは広島におとされた原爆と同じ型の原爆、 ホワイトサンズの西に位置するトリニティーサイトという所で世界で行われた世界で始めての核爆弾の実験で使用された物のレプリカだった。


日本の空を守っているナイキ

スカッドとパトリオット

広島型原爆のレプリカ


LRU to ABI


こんなジェットが自家用機だなんて

 ホワイトサンズで遊び終わって、空港に着くと既に午後3時を回っていた。朝、忘れ物を取りに来た時には翼も胴体も全て霜に 覆われていたが、もちろん全て跡形も無くなっていた。隣に大きくNAVYと書かれた練習機のような小型のジェット機が止まっていた。 FBOの兄ちゃんが言うにはとある退役軍人の個人所有の機体だそうで、 キャノピーの縁には持ち主の名前が書かれていた。との事。私がプリフライトを終えて出発しようとしていたら持ち主 が出てきて、タンデムシートにご婦人を載せて丁寧にハーネスをチェックすると 自分もコックピットに乗り込んでいた。こんな老後が送れるとはなんとも羨ましい限りだ。

 我々が飛び立つ頃には既に陽が西に傾いていた。ホワイトサンズの飛行禁止空域を避けて一旦南に向かい、それから東へ進路を取った。 暫くすると日が暮れてしまい、知らない土地での夜間飛行となったが、地形はどこまでも平坦でタービュレンスも無く飛び易かった。 高度7,500ftで巡航していて外気温は約マイナス3度だったが、空気は湿気が無くとても澄んでいた。途中何度かキャブヒートをオンに して見たが、平常通りで問題は無かった。


ビーコンは見つけたがランウェイライトが見つからない

 何もない単調なフライトが3時間ほど続き次の目的地のABI(アビリーン空港)に到着。アプローチからタワーに渡され、 Abileneの街の夜景から推測した場所に見えたビーコンに向かって飛んでいたが、空港の直ぐそばまで来ても滑走路が認識できず、 タワーに自分の位置を訪ねたら、英語が通じなかったらしく風向きを教えてくれた。ほんの数マイルの所へ来て漸く街灯と ランウェイライトの区別がつき無事着陸。給油を済ませてラグジュアリーなラウンジで一休みして、 ダラスの気象状況を調べて再び出発。外へ出ると アジア系っぽいマーシャラーが片言の日本語で話しかけてきた。彼は昔2年ほど日本に住んでいた事があり、そのとき日本人の 女性と結婚していたそうだ。アメリカに帰国する時に奥さんは日本に残り、今はフィリピン人の女性と結婚していると言っていた。


Flight Data
Wypnt Local UTC Duration
(Min)
Distance
(NM)
GS
(Kts)
HOBBS
LRU 16:25M 03:20       5493.9
SFL 18:12C 04:12 52 100 115  
INK 18:54C 04:54 42 94 134  
MAF 19:18C 05:18 24 55 138  
BGS 19:39C 05:39 21 42 120  
ABI 20:24C 06:24 45 92 123 5497.1
Total   3:04 184 383 125 3.2

Chart


ABI to ADS

 ABIはクラスCなのでまずクリアランスをもらわなければならないが、IFRの訓練をしていたのと、夜遅かったので他にトラフィック が無く余裕を持って交信できたのでATCは全く苦にならなかった。離陸後暫くしてアプローチからVFRを許可されるが、後でダラス のクラスBに入る事を考え、直ぐにVFRフライトフォロイングをリクエストしてスクォークをもらった。

 暫くすると地平線にダラスの街の灯りが見えてきた。フォートワース・センターからダラスクラスBのクリアランスが出る頃には、 地上一面に夜景が広がっていた。その夜景の中にフォートワースのダウンタウンのビルを見つけ自分の位置を確認。 センターは目的地のADSに向かってダイレクトにダラスの町上空を横切るように誘導しようとしていたが、南に迂回するようにしてもらい ダラスのダウンタウンの横を通り過ぎ、上空から夜景をビデオに収めた。 気がつけばラブフィールド上空に差し掛かっており、 ADSは目の前にあった。フライトフォロイングがターミネートされ、タワーの閉まったADSのRwy15に右トラフィックで着陸。

 現地時間で夜の11時頃に到着。ADS(Addison)には24時間FBOが3件あるはずだったが、クリスマスのせいかどこも皆閉まっていた。 当てにしていたFBOの前まで行ってみると真っ暗で人の気配すら無かった。その隣のFBOにはうっすらと灯りが点いていたので 試しに看板に書いてあったUNICOMの周波数で無線で呼び出してみると、男の子が出てきて素手でマーシャルしてくれた。飛行機のエンジンを止めると寄ってきて 「足はどうするの?」と聞くので、何も予約が無いと言うとFBOからレンタカーの車を持ってきてくれて機体に横付けしてくれた。 こういうサービスを受けるとなんともアメリカらしさを感じる。ペーパーワークを済ませてFBOを出ると、道沿いの建物の看板 が目にとまった。それは5年前に私が生まれて初めてこのADSでセスナの操縦を体験した時のスクール、MONARCH AIRの看板だった。

Flight Data
Wypnt Local UTC Duration
(Min)
Distance
(NM)
GS
(Kts)
HOBBS
ABI 21:20C 03:20       5497.1
MQP 21:55C 03:55 35 87 149  
ADS 22:40C 04:40 45 70 93 5498.7
Total   1:20 80 157 118 1.6
Chart

 

Day 2



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