January 2, 2003
Day 9


ELP to IWA

 プリフライトでオイルの量を点検したら丁度ミニマムの6qtだった。心配だったが時間が押していたので次の空港で調達する 事にして出発。クリアランスデリバリーにウェストバウンドを要求してRwy26Lを離陸。すると目の前に山がありチャートを見ると 山の左側を西へ抜けられるようだったが、そのルートだと国境を掠めて飛ぶ事になり、知らないうちに国境を越えてしまうといけない ので山を避けて北へ上った。空港の西側にはちょっとした山の峰が南北に伸びているのを行き掛けに見て知っていたので、街の灯と 星空の間の真っ暗な空間が山であることは分かっていた。暫く北へ上りそろそろ山の切れ目を西へ向かうVウェイかと思っていると アプローチから左へ曲がるように指示が出た。するとHSIのCDIが急に動き出し丁度Vウェイに乗る事が出来た。




 暫く8,500ftで飛び続けたが、DMNを過ぎると街の灯がほとんど見えなくなり、山の高さも心配だったので巡航高度を10,500ft に上げてフェニックスへ向かった。街の灯が見えなくなると眠気が襲ってきて飛行機の姿勢が崩れやすくなった。地平線が見えて いると簡単に姿勢の変化を知ることが出来るが夜はそれが難しい。機体の姿勢の変化を少しでも早く知るためにインパネを明るく してAIを見やすくしたが、睡魔と闘いながらAIだけで姿勢を保つのは余計に難しく、むしろ室内を暗くして真っ暗な地平線を目安 にして飛んだ方が機体の姿勢を保ちやすかった。

 SSOからフェニックスの盆地に抜ける時に山脈を一つ越えるのだが、街の灯が見えていてさえも山に衝突するのではないかと心配 で仕方なかった。この時ほど自分のポジションアウェアネスに自信が持てなかった事は無かったと言えるくらいだった。山を越えると フェニックスの街の灯の手前の端に大きな滑走路が縦に3本並んでいるのがすぐに分かった。PHXのクラスBエアスペースを避けつつ IWAに向かって一直線に飛んだ。IWAは10,000ft級の滑走路が3本も並ぶ大きな空港だが夜間は管制塔が閉まっており、またしても 国際空港でブラインドトークである。







 IWAのFBOは24時間営業だが深夜はラウンジが閉まっていてランプ横の給油所の事務所だけが開いていた。知らずに事務所に向かって 家族で歩き出すとFBOの人がフェンスの鍵を開けてくれてラウンジがある建物へ連れて行ってくれた。そして大きなソファと専用 のトイレがあるゲスト用の部屋に通してくれたので、そこで1時間ほど仮眠を取ることにした。


IWA; Williams Gateway Airport, Phoenix, Arizona

 午前4時にFBOの人が起こしに来たが、あまりに眠かったのでそのまま寝ていると、5時には出て行ってもらわなければ困ると 言われ仕方なく出発の支度を始めた。2時間ほど睡眠を取ることが出来たので、疲れも少し取れ眠気も収まった。







Flight Data
Wypnt Local UTC Duration
(Min)
Distance
(NM)
GS
(Kts)
HOBBS
ELP 01:05C 07:05       5532.9
DMN 00:47M 07:47 42 81 116  
SSO 01:26M 08:26 39 84 129  
IWA 02:53M 09:53 87 137 94 5535.7
Total   2:48 168 302 108 2.8
Chart







IWA to MYF

 プリフライトで オイルを点検したら6qtを少し切っていたのでオイルを買って入れてもらった。FBOの人が持ってきたオイルを入れようとしたら、 粘度が高く漏斗からなかなかエンジンに入っていかなかった。半分ほど入れたところで本当にこのオイルで良いのか心配になり、 途中で入れるのを止めてもらい残りは捨ててもらう事にした。ランナップでいつもより3分ほど余計にエンジンを回して様子を見たが 特に変な感じはしなかったので離陸。PHXクラスBエアスペースを避けて一旦南向きに飛んでから8,500ftで西へ向かった。







 離陸後暫くするとまた砂漠地帯に入り街の灯が少なく、睡魔でふらつきながら飛び続けた。漸くユマの街が見え、ユマを通過する 頃には東の空が明るくなってきて、地上がうっすらと見えるようになって来た。気がつくと東の空は朝焼けでとても綺麗な色に 染まっていた。IPLの辺りに来るともう地上がはっきりと見えるようになった。Ocotilloを過ぎると遠くにサンディエゴの街の灯が 見えてきた。ラグナマウンテンの南の辺りまで来るとだいぶ明るくなった。ふとチャートを見て自分の目の前にサンディエゴの クラスBエアスペースが迫っているのを思い出し急遽高度を下げた。




 インターステートフリーウェイ8号に沿って飛びレイクジェニングスで3,500ftまで下ろした。3,000ftでSEE上空からMYFのタワー にコンタクト。すると直ぐ近くにIFRランディングをしているツインエンジンの飛行機がいると告げられ周囲を見たが見つからなかった のでそのまま28Lにストレートインで着陸。アプローチしながらMYFのフィールドを見て「こんなに貧弱な空港だったのか」と思った。 XCで10,000ft級の滑走路を備えたクラスCの国際空港ばかりに降りていたので感覚が変わっていたようだ。徹夜のフライトで疲れて いたせいか、MYFに着陸する時にいつもより滑走距離が伸びてしまいRwy23まで行ってしまったが無事着陸。こうして大陸横断飛行 は無事完結となった。

Flight Data
Wypnt Local UTC Duration
(Min)
Distance
(NM)
GS
(Kts)
HOBBS
IWA 05:35M 12:35       5535.7
GBN 06:03M 13:03 28 60 129  
BZA 05:47P 13:47 44 98 134  
IPL 06:06P 14:06 19 46 145  
MYF 06:49P 14:49 43 83 116 5538.3
Total   2:14 134 287 129 2.6
Chart

   

Day 9



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