December 28, 2002
Day 4


ストーンマウンテンの彫刻(クリックでアップ)

Stone Mountain

 アトランタの名物といえばコカコーラとCNN。しかしどちらも見学している 時間は無かった。ダウンタウンは大きなビル街だが、周囲の平野はどこまでも森に覆われいている。郊外の高速道路は森に囲まれていて 遠くの景色が見えないので方向感覚が鈍ってしまう。この辺りは桃の木が多いらしくジョージア州の25セントコインにも桃の木が描かれているし、 昨夜着陸した空港の名前もDekalab-Peachtreeだった。

 もう一つアトランタで有名なのがストーンマウンテン。ダウンタウンから車で1時間ちょっと南東の方向へ走った所に、Stone Mountainがある。 それは山のように大きな一枚岩で、壁面には南北戦争で名を馳せた有名な軍人の彫刻が彫られている。マウントラッシュモアの 4人の大統領の顔の彫刻を彫った芸術家は、本当はここにあの大統領の顔を掘りたかったという話がある。しかし理由は忘れたが 許可が下りず仕方なくサウスダコタの山を選んだらしい。



EPPS


思ったより大きなFBOだったEPPS。サービスも満点。

 今日は早起きをしてストーンマウンテンを見に行き、コカコーラ本社とCNNは次の機会に残して空港へ向かった。Airport Roadから 立派なPDKの看板が立つ交差点を曲がると 正面にPDKのタワーが見える。そのタワーのふもと近くに今回駐機したEPPSがある。

 到着した時は夜だったので分からなかったが、EPPSにはハンガーの中 にも外のパーキングにもキングエアーなどの大きな双発機が所狭しと ひしめいており、とても大きなFBOだった。我等がArcherは到着した時は玄関のまん前に止めておいたのに、いつのまにか隅っこに 追いやられていた

 車を機体に横付けして荷物を積み込み、その間家族はラウンジで休憩。昨日機体に置き忘れたデジカメを充電しながら、フライトプランニングルームで 次の目的地までのコースを考えた。漸く家族もなんだか遠くまで来てしまった事に気がついたようで、もしかして大陸横断するの? とカミサンが聞いてきた。そこで私は丁度息子が学校の自由研究のような宿題でライト兄弟をテーマにしてプレゼンの準備 をしていたのを引き合いに出し、息子にライト兄弟が人類初飛行をした場所を見せてやるためにここまで来たんだと説明した。

 実際次の目的地はライト兄弟初飛行の地、ノースキャロライナ州のキティーホークだった。アトランタからキティーホークまで 距離的にはサンディエゴ、サンフランシスコ間と同じくらいで、Archerだと無給油は無理ではないがちょっときつい。途中に給油 出来そうな空港は沢山あるし、昼間のフライトなのでガソリンスタンドが閉まっている心配も無かったので、一気にFFA(First Flight Airport) まで飛ぶことにした。出発前にカウンターでチェックアウトしたつもりが、レンタカーの清算をしただけで、ガソリン代のレシートをもらい 損ねた事に後で気がついた。


昼間は明るいFBOのカウンター

設備の整ったプランニングルーム

距離を測るヒモはアトランタが中心

PDK to FFA


まるで大陸の出ベソの様なStone Mountain

 グランドからEast Boundの許可を取り、Rwy20Rから離陸。アップウィンドを上ると 森の向こうにダウンタウン・アトランタのビル街が見えた。アトランタ・クラスBを避けつつ、2,500ftMSLで東に向かうと 目印のストーンマウンテンが見えた。360度見渡す限り平地で 他に高さのあるのもが何も無いので直ぐに分かる。ニューメキシコからテキサスに入ってすぐABIの手前からずっと平地で、 それから山のようなものは一切無く、ここへ来て久しぶりに山を見た。

 暫くすると2時の方向からトラフィックがこちらに向かってきたので2,000ftMSLで巡航。以前、大統領の顔を山肌に彫刻してある マウントラッシュモアは上空からほとんど見えなかったので、ストーンマウンテンも上空からの観光はあまり期待していなかったが、 こちらは国立公園ではないので低空で飛ぶことが出来たので、岩肌の彫刻を 上空から肉眼でもはっきり見ることが出来た。その後は再び360度全方向地平線まで広がる田園風景の上を延々と飛び続けた。

 フライトフォロイングが途中からセンターからアプローチに渡され、ずいぶん遠くの空港のアプローチだったのでおかしいなと 思ったらその空港は軍の施設で、私が通過していたMOAを管轄していたらしい。ATCを聞いていると同じ高度に軍用機がいるような 会話が聞こえてきたので辺りを見渡すとジェット戦闘機二機が私の左側を前方に向かってものすごいスピードで飛んでいった。 撮影しようとビデオのスイッチを入れた時には既に視界から消えていた。

 フライトフォロイングがワシントンセンターに渡されるとついに東海岸まで来たかという気がした。幾つかのVORを経てついに 最後のVORにNAVを合わせ真東に進路をとる。前方の少しぼんやりとした地平線の辺りには大西洋が広がっているはずだった。 暫くすると南北に伸びる長い砂洲の海岸線が見えてきた。砂洲の向こうは大西洋だ。 そしてその砂洲のどこかに目的地のファーストフライトが見えているはず だった。

 高度を3,500ftまで下げ、FFAまであと5マイルの辺りまで来てフライトフォロイング終了。VFRでFFAに接近。空港よりも先に まずライト兄弟のモニュメントが見えてきた。そしてその左手前の 林の中に滑走路が見えた。高度2,500ftAGLで 一度滑走路上空を大西洋側へ通り抜け、高度を降ろしながらRwy20に 右トラフィックで進入。そして無事着陸

Flight Data
Wypnt Local UTC Duration
(Min)
Distance
(NM)
GS
(Kts)
HOBBS
PDK 12:30E 17:30       5504.6
AHN 13:08E 18:08 38 24 76  
GRD 13:32E 18:32 24 60 150  
CTF 14:14E 19:14 42 96 132  
FAY 14:45E 19:45 31 72 139  
OCW 15:22E 20:22 37 96 160  
PMZ 15:34E 20:34 12 20 100  
FFA 16:04E 21:04 30 54 108 5508.1
Total   3:34 214 422 118 3.5

Chart



威容を誇る記念碑

First Flight Monumnet

 今から約100年前、アメリカで自転車屋を営んでいた兄弟、ウィルバー・ライトとオービル・ライトの二人がノースキャロライナ州の キルデビルヒルで人類初の動力飛行を行った。その記念すべき場所を見下ろす小高い丘の上に、その偉業をたたえる記念碑が 建っている。まるで飛行機の垂直尾翼を思わせるような姿をした記念碑は、側に寄って見上げるとどっしりとしてとても迫力がある。

 その歴史的な場所の本当に直ぐ横に、ほとんどその場所にあると言ってもいいくらい 近くに軽飛行機で降りれる滑走路FFA(First Flight Airport)がある。 FFAに着陸しエプロンに機体を止めて外へ出ると目の前に大きな記念碑が建っているので まずは丘に登ってみる。垂直尾翼の様な形をした記念碑が進んでいきそうな方向を見ると、ふもとに復元されたライト兄弟が使っていた ハンガーと初飛行を行った場所が見渡せる。その向こうには実物大のライトフライヤーのレプリカが保存されている博物館が建っている。

 人類初飛行の軌跡の直ぐ横を平行に走る滑走路に自分の操縦する軽飛行機で降り立ち、歩いてその歴史的な場所を訪れることが できるとはなんともアメリカらいしい演出である。いかにアメリカがAviationを大切にしているかを表わしている象徴的な場所だ と言えるのではないか。


FFAのパーキングに駐機

エプロンの直ぐ横がモニュメント

丘の上からの眺め

ライト兄弟のハンガー

初飛行を行ったレールと着地点

ハンガーから見た景色

 FFA(First Flight Airport)にはFBOも何もなく、エプロンの横にトイレがあるだけだった。ライト兄弟の初フライト100周年を 来年に控え、訪問者が増えることに対応する為か、エプロン脇にAOPAが Pilot用の施設を建設中だった。記念碑を見終わってエプロンに戻りフライトガイドに載っていたホテルに携帯で予約を取り、 タクシーを呼んでホテルへ向かった。

 

Day 4



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