Epilogue

 大陸横断飛行を実行して4年も経ってからこのエピローグを書いています。当時はアメリカに住み軽飛行機に乗って旅行する事が当たり前 の様に感じていました。また、計器飛行の訓練も終盤に差し掛かった頃だったので、普通のVFRパイロットよりは技量が上だろうと 思い上がっていました。何も知らずにとんでもない事をしていたものだと今になって旅行記を書いていて恥ずかしい限りです。 自分だけならまだしも家族を乗せてこんなに危ない事をしていたなんて今ではとても信じられません。今まで生きてこられたのは とても運が良かったお陰だと神様仏様に感謝する限りです。

 日本に住むようになり、軽飛行機で飛ぶ事が日常では無くなったので考え方も変わったと思います。また、毎週のように 飛んでいた時と年に1〜2回しか飛ばない時とでは技量が全く違うので、飛ぶ時の危険度は今と以前とでは違うかも知れません。 しかし、それを割り引いてもやはり無謀な事をしていたと思います。雲を突き抜けて上に出られたから良かったものの、もし気象状態 が予想と違い上空の天気が荒れていたらと思うとぞっとします。この大陸横断飛行旅記の後半には、時間に追われた精神状態が如何に 人の判断力を狂わせるかという事がまざまざと現れています。今はもうそんな事はしないと思っていても、また同じ状況になったら 昔と同じような判断を下してしまうかも知れません。そうならないよう何か工夫をする必要があると痛感しました。

 この飛行旅記を書き始めた頃は他人に自慢話をしたいような気持ちが少しあったと思いますが、今は自分の幼稚さや愚かさを暴露 しているようでとても恥ずかしい気持ちです。昔も今も飛行機を操縦したい欲求の強さは変わりませんが、どのように飛ばし たいかは以前とすこし変わりました。40歳を過ぎるとメディカルの有効期間が短くなりますが、私も2年毎になってしまいました。 今ではそれも道理だなと実感しています。住む場所や年齢など飛ぶ為の条件は常に変化していますが、いつも自分が置かれている条件に合わせて ジェネラルアビエーションを楽しんで行きたいと考えている今日この頃です。

as of 2007-03-11

   

Epilogue



[Top] [12/25] [12/26] [12/27] [12/28] [12/29] [12/30] [12/31] [01/01] [01/02]



[Home]

Mar 11, 2007